2024年2月5日自分の気持ちや考えを話そう
★スタート当初の受講生スピーチの特徴
ベーシックコースがスタートした当初のスピーチ実習を聞いていると、受講生に共通した改善点があることに気付きます。
その一つは、話が長いことです。
スピーチの制限時間は2分なのですが、コーススタート当初は、多くの受講生が2分を30秒以上超えて話します。
この主な原因は、言いたいことに関係ないことを話しているからです。
つまり話の趣旨に関係のない余計なことを話しているのです。
もう一つは、自分の気持ちや考えを話に盛り込んでいないことです。
大概の受講生は、どういうことがあってどんな結末になったか、という事実だけを話して終わってしまいます。
こうした話は聞いていても、今一つ面白みに欠けます。
日常会話では、自分の気持ちや考えを自然な感じで話す人が多いです。
しかし、そういう人でも、人前でのスピーチや上司への報告、お客様への説明などでは、気持ちや考えを話さないことがよくあります。
これはとても勿体ないことだと思っています。
そこで、今回は、気持ちや考えを話す、ということについてお話します。
★話に付加価値をつける
なぜ、自分の気持ちや考えを話すべきなのでしょうか。
それは、自分の話に付加価値をつけるためです。
私たちは、仕事で話をする際、事実を正確に言おうという意識が強く働きます。
仮に、あなたが仕事で上司に報告をした際、「君の話はよくわからない」と言われたとします。
そうすると、あなたは事実をきちんと伝えることに一所懸命になるでしょう。
その結果、あなたの話を上司が理解したとしても、次に「事実はわかったけど、それで君はどうしたいの?」と聞かれるかも知れません。
人は行動することで初めて価値を生み出します。
報告の中に自分の気持ちや考えを盛り込み、それがあなたも含めた組織の行動につながれば、あなたの話には価値があった、ということになります。
話に付加価値をつけることができたるです。
単なる事実を話すだけでは、付加価値をつけることはできません。
その事実をどのように解釈して、どう行動に結びつけるか、どういう提案をするか、ということを話すことで、付加価値をつけることができます。
ぜひ報告は必要な事実だけに留め、その解釈やその事実をもとにした行動を考えて話すことを意識していただきたいと思います。
★深く考える
では、気持ちや考えを話すために留意すべきことは何でしょうか。
それは、自分の気持ちや考えを深く考える、ことです。
ベーシックコースの受講生のスピーチを例にすると、「うれしかったです」「とても残念でした」という言葉は出てきます。
しかし、これではどのようにうれしかったのか、何がどういう風に残念だったのか、ほとんどわからないので聞き手はモヤモヤしてしまいます。
こういう話をした人に「何がうれしかったのですか?」と聞くと「ん~・・・」としばらく考えてから、「話が伝わった、という感じがしたからでしょうか・・・」と確信が持てない感じがする反応を示す方が少なくありません。
このように、自分の気持ちや考えをきちんと整理して言葉にする、という意識が薄い人が多いのです。
「聞き手に自分の話が始めて伝わった、ということが実感できて、とてもうれしかったです」
「私は絶対に一番になりたいと思って頑張ってきました。わずかの差で2位になったのは自分の努力が報われない思いがしてとても残念でした」
ビジネスでも、自分の気持ちや考えを話さない人は、そもそも自分がどういう気持ちなのか、どういう考えなのか、なぜそういう気持ちや考えを持ったのか、などを掘り下げて考えていない人をよく見かけます。
「なぜ、どのように」まで掘り下げて自分の気持ちや考えを話せば、相手に自分の気持ちが伝わり、共感を得ることができるでしょう。
ビジネストークでも日常の雑談でも、自分の気持ちや考えを話すことはとても大切なので、ぜひ意識してください。
★よりよい話し方を身につけましょう!
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、自分の気持ちや考えを適切に伝えることにも重点を置いてご指導しています。
真に言いたいことが的確に相手に伝わる話し方をぜひ学んでください!